気がつけば、走っていた

その日、走り始めた日、私は大喜びでした。とうとう走り始めることができた、歩いている時に見かけた走っている人たちの仲間入りができるんだって!とても喜んでいたのです。今まで走ったこともないクセにいきなり5kmくらいノンストップで走ってしまいました。もともと毎日歩く習慣があったためにそれなりの持久力があったのでしょう、だから初日から5kmも走れたわけです。走ることが楽しくて風を思いっきり自分の体で切ってみたくて、全速力で走ったりする瞬間もありました。でも、次の日になって、昨日自らが調子に乗りすぎていたことを身体から教えられました。今日も昨日と同じように走ってみようと走り始めると、股の付け根のあたりが、ズキズキと痛むのです。これは、まずい、身体の悲鳴だと察知し走るのをやめ、いつものように歩き始めました。すると、痛みはありません。走ると痛むが、歩くと平気。ようは、私には走るに足る筋肉がついていないゆえ、いきなり走ると普段使っていない身体がびっくりしてしまう、そういうことなんだろうと思い、そこから2週間、私は走ることをやめたのです。2週間は歩くことに集中し、姿勢良く歩く、早く歩く、長時間歩く、走るための準備期間と位置づけ毎日歩きました。走りたい、早く走りたい、そういう気持ちがありましたが、私は、harmony of our bodyを自らの哲学としてこれからやっていくのだから、そういう自分が自我による欲で、無理して身体を酷使してはいけないんだと言い聞かせおとなしく歩きました。